やわらかい




パンダは7本指だという。
スマトラタイガーには隠し指があって、獲物を襲うときだけそれが飛び出るという。ふくろうとみみずくの見分け方は?犬と猫を見間違えたり、おじさんとおばさんを見間違えたり、そんなのどっちだってええやんおたんこなす、とおもったりするという、わたくし。なかなかお口が悪い。まあ、たまには、おたんこなすについて考えてみるのもたのしい。
さーて、と腰を上げた瞬間に、部屋の電気がぷつり、それでも笑えちゃうくらいにはげんき。電力会社オペレーターの人が、すごくいい声だったから、ドノバンを一曲おねがいしたかったけど、よろしくおねがいしますと通話を切った。
きょうってば、あたたかい。



最大公約数みたいな言葉の中にもいろんな微生物たちが存在していて、アメーバ、ゾウリムシ、ミトコンドリアくらいしかしらないんだけど、ってそうじゃなくて、感情の微生物たち。つまんだり、たたいたり、くるんだり、3回噛んでぺってしたり、みつめたりして、変化していくのだとおもった。

わたしたちは食べる、------、排泄する。------、のぶぶんって目にはみえなくて、なにしとんじゃわれ、と脅してみてもやっぱりみえない。ずっとそこにいるのね、じゃあまかせたよ内臓くん、ってわけなのだけど、イカスミスパゲティを食べてから2日経って黒い物質が排出されたりしてびっくりする。トレンディなピンクとかだったらもっとショッキングだけど。感ずるところのインアウトもよくにているなあ、って。溜めすぎるとたいへんだから、音のヨーグルトとか、絵画の野菜とか、文字の大豆食品なんかを摂取したほうがいいのかな、たまには追憶のハンバーガーを、とかおもうけど、それってけっきょくじぶんが選びとるものだから、だいじょぶ。
ちょっと何言ってるかわかんない。でもそのうちこれらを図面に起こしてみたらたのしいかもしれない。


ポタージュを自ら好んで口にはしないけれど、浮いてるクルトンはだいすき。あんみつをわざわざ食べないけれど、ひっそりしっかり存在しちゃう求肥がすき。
じゃ、残さず食べましょうね。はーい


なんか、おおきく脱皮した。
あるいはくっきりと、膨らんだ。



きょうのごはんは何にしましょ、





すかんく




いま、Blankey Jet City ヘッドフォンでききながらソファに腰かけてる、くちづけ、そして斜陽、もう朝がやってこようとしてる、ウイスキーソーダはやたらとあまくって、窓を開けたら肌寒くて、フローリングで踊った裸足裏はよごれているからたのしくて、


ジプシーパンクで踊ろうとコンポのスイッチをつけたらながれてきたのはアフリカのサザエさんの声で、抜けた歯をおもいだしてかわいいなってわらった。レバノンの羊料理をつくろうとしたけどみんなを夢に追いやるのに忙しいのか逃げたのか、スーパーマーケットで選びとったのは牛の脚肉、それをパセリと玉ねぎとにんにくで煮込んでいるとちゅう、空腹に耐えられずに食べたパンで満腹になっちゃって、



記憶がごちゃまぜになってる、
おなじ言語を話しているのにやりとりができないひととの対話を諦めかけているけどどちらがいけないというわけではないとおもう、悪者になるのなら幼い頃から慣れちゃってて、かなしいけど。みんなみんな、黙り込むのが得意だ、問いかけて答えるのは面倒くさそうな目の色ばかりで。噛む犬は吠えない?そのとおりだとおもってしまうから、わたしはわたしがこわい。吠えなくなって、吠え方もわからなくなってしまうこと。そうして噛みつき合ったなら、いつどうなってしまうんだろう。精神と肉体がメビウスの帯をぐねぐね、泳いでる。



午後に目がさめたらスパゲティにしよう。こんやはパーティ




天下泰平





さいきん、おいしいものばかり食べている気がする。否、気のせいでは無くて、というよりも、いっしょに食事をする相手でも、味覚はずいぶんと変わるのだなあと感じている日々。どうしておなかは鳴るのだろ。生物学的にうんちゃら、っていうのはしりたくないから調べたりしない。



にちようび。
いきている音、を聞いて感じることのできる贅沢な時間を過ごさせてもらった。スピーカーとかの設備の違いや反響の仕方で、壁の絵画上の人物たちが今にも動き出しそうなかんかくがしたり、ぶら下がった照明が女体にみえたり、ラッパの中に放り込まれてしまったようになったり、人間の肉体はタマシイの器なのだと改めて感じたり。感覚たちの潤む瞬間。ふしぎ。

はじめて食べたエチオピア料理は、おいしくて、たのしかった。インジェラが舌に触れたとき、細胞にしみていく感覚がして。やっぱり、すべてはつながっているのだとおもう。空気中のいろいろが、まじりあっているみたいに。


あたたかいな。
気温とか、そういうのじゃなくて。




かなしいことがあると、だんまりを決め込む癖はよくない、と自身でおもう。怒っているみたいに誰かは感じるかもしれないし、空気が澱む。人の泣き声は、眉間の奥の方を刺激してくる。ミラー効果うんちゃら、の話じゃあなくて、なんでもかんでも鏡みたいだ。それならわたしは、わらっていたいけど、例えば、無理して転んでベソかいて、っていうのもたのしいかもね、遊園地みたいで。



きのうからずっと、カレーが食べたい。恨み節でも口ずさみながら散歩にでもいきましょか、ワルツのリズムにでも変えて。ノーテンキな呪縛霊ごっこ。



で、ごきげんいかが?






2+1=0



身体の調子がよくないと、いろいろな傷がじゅくじゅく、してくる。時間とか気温とか細胞分裂とか支払いとか責任とかまでが、追いかけてくるかんじ。あうー


きのう、夢をみた、
ものすごい速さで進む列車に乗っている。わたしは通路を歩いているけれど、他に乗客はいないようで、気まぐれに空席に腰掛けてみたりする、立ち上がってまた歩き回る、なにかの気配、だれ、こたえない、窓の外、景色がびゅんびゅん変わっていくけれど、ぼやけていてよく見えない、まぶたを細めてみたり、窓硝子に張り付いてみたりする、息を吹きかけて指でぐるっとなぞったのは数字かアルファベットか、どこに向かっているのだろう、と、

肌寒くて夢からさめた、そうだきょうは、きづいて、すごくねむたくてすぐ、まぶたをとじた、そしてまた、夢をみた、それは確か、白い路面に脚をとられる猫と視線が合う、降りはじめた豪雨はわたしをびしょ濡れにして、溶けかけた指先の煙草と血痕がかなしくて、まっすぐ歩こうとするのに白にもつれる、すこしわらう、煙草を買いに行く途中なんだったと思いだして、傘を捨てて、





きみのみらいには、なにがみえる?



赤い花が青くみえてきたらおしまい。ふと、そうおもったけど、たすけて、なんてやっぱりだれにもいえないし、わたしにとっていちばん頼りがいがあるのはわたしなんだぜ、ってかんじで。
やるしかない。よっしゃ


月が追いかけてくる、
走って家に帰ろう。




つづく




さんだる




いつも部屋で焚いているお香がきれてしまって。探しにいったけれど、みつからなくて、ふと目にとまったセージという文字に惹かれて顔を近づけてみると、すごくすきな匂いで。数ヶ月前、実家の庭で母が育てているハーブたちをわけてもらったことをおもいだした。あのとき、セージは刻んでソーセージのお肉にいれたんだった、ローズマリーはじゃがいものローストだったっけ、タイムは確か、ということまでおもいだして、ぐう、と鳴るおなか。やっぱり、くいしんぼうはどうにもやめられない。
それにしても、部屋中いい匂い。
セージの花には、蜜蜂がよく集まるらしい。



頭の中を探検してみる、

敏感肌用の化粧水を使いはじめたけれど、なにがどうなったらどうして敏感肌というのだろう、という疑問。
ボウル1杯のポップコーンにまんべんなくちょうどいい塩味をつけるにはどういう手法がよいのか。
チーズと夢、の関係性について。
殆どの事柄に対して聞く耳を持たない人が叩き続けるポケットの中にはビスケットがそもそも入っていない、ということを気づかせるにはどうしたらいいのだろう、埃が舞ってむせかえる。
桜の花の蕾が膨らんできて、おいしそうだなあ、と喉をならしたきおく。
あるひとは、あらゆることを他人のせいにしない、だからわたしは尊敬もしているのだと気づいた、数日前。
ケチャップがもともと薬として販売されていたってことしってるひと手あげて。
なんでもかんでもなぞなぞにしちゃったらもっとたのしくなるかな、目が回っちゃうかな、ってもう回りはじめてる目。アーメン



ライオンのたてがみは、どんな匂いがするのだろう、と想像してみたら、アメリカのクッキーみたいなのだった。

では、夢であいましょ。



えちおぴあ



あ、っというまに朝だった。
いつのまにか、雨はやんでいた。


スピーカーからこぼれるいのちの粒たちが、耳から頭の中にはいってきて、ぐんぐん染み込んできて、赤ん坊にもどったみたいなかんかくになる。ふしぎ。
しらなかった景色が、たくさんみえる。


天秤はゆれている。すごくしぜんな不規則さで。だから、そのうちコロッと死んじゃうんじゃなかろうか、という不安が頭をよぎって、ふ、っとゆるむ、そんな頬も、いまはなんだか、いい。


恋人がくれた可愛らしい花たちを眺めてた。赤い実をつけた植物の名前がなんだったか、思いだせないままで。
だけどそれも、なんだかいい。



チキンスウプをつくった。
生姜、にんにく、玉ねぎを放りこんで、コトコト。小松菜をいれて、蓋をしたら火をとめる、そしたらパンをトーストしはじめて、バターを用意して。

風邪の予感がしたらチキンスウプだよ、と、いつかあのこが教えてくれたのだった。ぽかぽか、体の内側からあたたかくって、先手を打たせてもらったきぶん。



さいきん、物欲があまり無い。
以前までは衝動買いも多く、ほんとうに必要なもの、と、ただ便利なもの、の区別がついていなかったようにおもう。

料理をするとき、わたしは考える。
ある一つの食材をとっても、どの状態がおいしく食べれるだろうか、とか、組み合わせ、お皿はどれにしよう、盛りつけは?だとか、さしすせそ、とか。
変に神経質なのはどうにもならないような気がするから、じゃあ、どうせならたのしくしようよ、って、わたしはわたしに提案する。わたしはわたしを料理するように生きてあげたい。


そうだ、
プリン、食べなくちゃ。







てれぱしすと



爪色はブルー、
朝の記憶はゆるゆる、ここちよくて、いつの間にか、眠りにおちてた。


かなしみが絶え間無いのは、だれのせいでもない、きみのせいでもあのこのせいでもあいつのせいでもわたしのせいでも神さま仏さまのせいでもない。


戸惑ったままのことがふたつ。
頭の回路はややこしくて、わたしはわたしを選び取りたい、ことばにしたい、ことばは、伝達方法のひとつ、だから、すこし時間が欲しいんだけど、とか言っているうちにもぐんぐん経つ時間や月日。積木遊びみたいに考えてみて、これは丸、あっちは三角、あてはめてみたら、ちょっとだけたのしいかもしれない。
わたしはわたしを待っている。
きっかけは、いつだって突然。

しってる?
亀ってけっこう走るの速いんだよ。


どうして?というぶぶんなら、通り過ぎてしまった、大抵のことなら。
墓場まで持っていくような秘密を打ち明けるということは、罪を共有させる、という事かもしれないなとおもう。
したくはない、されるのは、まあ、いいんだけどなあ、って苦笑いの顔になっちゃう、嘘をつくのが下手なのであーる。
笑いと驚きはよくにている。
怒りとかなしみも、にてる。
やさしさと無関心もよくにているから、どっちに行っても行き止まりみたいに感じて、ただうずくまることもあったんだけど、いろいろ、おもいだして、いまを感じて、ぜんぶちがうんだよ、って。
だれに話しているのか、うんん、誰にも。しいていうなら、わたしの中のわたしへ。ねえ、聞いてる?



きのうから、ものすごく春の匂い。
浮かれてる?

うん、ちょっとね。