——

イヤフォンから流れてくる音を、魔法みたいだな とおもった。なにが魔法でもそうじゃなくてもいいんだけど、否定されたっていまのわたしにとってはまちがいじゃない。魔法が呪いになることもあるし、スプーンにもナイフにもなったりするなとおもう。 起きた…

とける

冷蔵庫から、キムチの匂いがする。きょうは、朝はやくから雨が降りつづいて、お昼すぎ、やんだ。きのう、ひと月ぶりくらいに、恋人とふらふらおでかけした。彼は寄り道の天才である。目的地にたどり着くまでに、そうだあそこに寄ろう、あの看板みて、いって…

saga

なんだかやっぱり厄年っぽい。 血液型なんちゃら、とか、占いとか云々、たいして信じちゃいないけれど、どうやら厄年らしい。ゆうべは硝子の破片を踏んで、わたしにも人間の血が流れていたか、とわらった。 でもまあ、何があっても不可能は無いとおもってい…

・ ・・‐ ‐・ - ‐ ‐ ‐ ・・ ‐ ・・・ ・・

だれにもあいたくないようなきぶんだな、とおもった。いや、そもそも、わたしはひとりでいるのがすきで、いっしょにいたいとか、あいたいとか、そういうことのほうが稀なのだときづいた。一声や、一文字で、うれしくなったりする相手もいて、わたしはすごく…

こいびと

恋人ってなんだろう、とおもった。外を歩いていると、電車に乗っていると、働いていると、恋人どうし、みたいなひとたちに遭遇することがある。手を繋いでいたり、親密そうに話していたり、抱きあってたり、揉めているふうだったり。だけどその認識って、わ…

びじょん

いろんな遊具を通りすぎて、いまわたしが立っているのは砂場だった。すべり台は、どうしてもすべってしまうし、ブランコは、漕ぎすぎてしまう。木馬をゆらすのにはもう飽きて、鉄棒なら子供のときからへただった。だから公園にいっても、だいたいベンチに腰…

紐っていうより糸

ついにちょっと水が溢れた感覚がした。涙腺の話では無くて。塵も積もれば、なんだね、ことわざすごい、とおもった。わたしは随分と変わった。だけど根本は変わらないんだな、と痛感していて。石の上にも、何年だっけ。忘れちゃった。忘れちゃおう。石なら温…

にがい

家の近所には、まるいかたちをした街灯がおおいようなきがする。いつかの満月の夜、ぼんやりした頭で歩いていたら、どれが月なのかわからなくなって、わらいながらないたことをおもいだした。くるっているのはわたしか、せかいか、歪んでいるのはめだまか、…

吸いさしの

ゆうべは、すごくうれしいことがあった。ちぎれたかな、とおもっていた道は、まだそこにあった。ただただ、よろこべはしなかったけれど、わたしの芯のぶぶんが、うれしくて。よくないけど、よかった。ひとの話を聞いていると、いつのまにか自分のどす黒い部…

ももんが

いろんなことがあるなあとおもって、ちょっとわらった。気にしてた自分がばかだったなとおもうことってけっこうある。恩をきせる気は毛頭無いけれど、陰口みたいなものに嫌悪や恥をわたしは感じるんです。ただの悪意だと自分が感じたら、離れたほうがいいと…

山とか谷とか

ぴし、っとした。きもち。新しい職場に就いてまだ数回しか働いていないけど、来月から、いろんなことをさせてくれそうで。ルールってあって、むつかしいなとおもうけど、完全にむりだーとはならないから、やっていけるとおもうし、やりたい、とおもっている…

チーズのプール

夜が、ずっとすきだった。朝なんてこなければいいと心底おもった日はどれだけあっただろうか。太陽のひかりを浴びすぎると、体が重たく怠くなることにきづいて、長年で築いていたこの体質をうらめしくおもっているさいきん。外に出るのはすきだからどうにか…

チューニング

こんなふうになりたくない、といつかおもっていたような人に、わたしはいつのまにかよく似ていた。両手の痛みや目の色は、それをきづかせた。こうも感じた。ずっとわたしは何にもなりたくないはずだった。なのに、いつのまにか何かになろうとしていた。いい…

or let me die

mi-ow

ひさしぶりに、日記でも書こうとおもったら、記憶の無いままに書いていた数日前。何を思っていたか、それすら分厚い磨り硝子の向こう。こんなばかは他に知らない。過去に苛まれるのはじゅうぶんだ。苛まらせているのは自身なのに、そんなふうにいうのは、愚…

たまごがひとつ。ここに重力は無いようだ。遠近感もつかめない。両手で包んでいたはずなのに。かたいかやわらかいか、うすいかぶあついのか、手触りもわからない。「 冷静に、」耳元で誰かがささやく、よくしっている声だ。そう、冷静に。たまごがひとつ。中…

シトロン

自分が固執していた価値観みたいな部分が、ぐるっと変化した。こびりついてはなれなかった欲求が、ぺりっと剥がれたような感覚で、すごくふしぎだ。だけど、だから、ほんとうになんでもできる気がしている。ちょっとだけさみしくて、うれしい。きているもの…

バスクのひつじ

まいにち、おもうことがある。まいにち、おもうひとがいる。まいにち、することがあって、まいにち、どうにかいきている。きょうのスパイスは、鯨の声と、アルコール。お元気ですか?わたしは、元気とかそうじゃないとか、どちらともいえないのだけど、だい…

ち にく ほね

二月二十八日、コマドリの四回忌だった。友人と、献杯しようということになり、夜になってから電車に乗り込んだ。川崎という街には、なかなか馴れない。どうしてか、わからないけど。九回裏、というお店に連れていってもらった。カウンターだけのこじんまり…

ヘルダーリン

おだやかすぎるような、正午。早起きの恋人をいつもどおりにみおくって、もうひと眠りしようかとベッドにもぐったけれど、頭がさえてしまって、煙草に火をつけた。掃除、洗濯、お昼ごはんにはあったかいお蕎麦。物置きと化しているソファの裏を覗きこんだら…

気がついてしまった。その瞬間、ぺたりと全身にへばりついていた薄皮が剥けるような、わたしを囲い覆っていた殻か壁か、何かが、ガラガラと音を立てて崩れたような感覚がした。すこしの恐怖と、安堵。だから、だったのか、しばらく、靄のかかっていた頭が、…

Suicide apples

さいきんのこと、午前5時前、自転車で、家までの道、しめっぽいくうき、つめたくも、あたたかくもなくて、この冬にはまだしっかり雪もふっていないのに、すっかり春みたいだとおもった。桜の木がならぶ路地を覗いてみたけど、やっぱり、葉もなにもついては…

びいどろ

いつのまにか十二月も半ばだった。けっこう、忙しい日々で、ぐんぐん時間がまわっていくかんじ。ルーティン?そういった物足りなさは、なんかたのしいことあるかな、ってきもちを膨らます。見渡してみると、けっこう、すぐ近くにあったりする。ふらふら、ふ…

メイプルヶ丘

夢の備忘録 -----------「彼女は全てを愛しすぎている」という題名のついた楽譜、それは本の表紙全面に書かれている。楽譜は完成しているが、一小節だけ何も記されていない空白のある曲。屋上に置いてあるピアノの椅子に腰掛けて、それをみつめたまま戸惑っ…

ヨーヨー

ぐ、っと冷えこむ朝。いつのまにか、もう冬だ。ふゆ。数日前、めずらしく午前中ぎりぎりに目がさめて、もぐらみたいにのそのそとキッチンまでゆき、朝ごはんをつくった。きまぐれに、あつあつのスウプをつくって、ぜんぶ食べおわるころには身体がぽかぽかし…

フラッパー

おなかへった。どうしておなかはなるんだろ、と、いつもふしぎにおもう。生物学的に、ということじゃなくて、どうしておなかはなるんだろ。だれかにきいてみよう。いろんなことがあって、いろんなことがあった、きっとこれからも、あるんだとおもう、ぐるぐ…

テクスクト・テクスクト

もしも目が視えなくなったとしたら、眠りのあいだにみる夢も、なくなるのだろうか。身震い、って、ちょっとたのしい。マルバユーカリの葉っぱのにおいは、だいすきなあのハーブのにおいとよくにてる。刻んでスープにいれたらどうだろうか、コアラじゃないわ…

わたしのぶどうの木

カンパリのゲロを吐きながら歩いていた夜、ふときづいた。OBEYの正体、それは自分自身なのではないか?フィルター、についてしばらく思考していたのも、日常の断片、サッと一瞬視界に入った他人の発言の記憶から派生したものではないのか。それにきづいたし…

キッチンおばけ

にちようび、ずいぶんとひさしぶりのひとと、あった。どうしてもいま、あうべきだとおもったのだ。夜になりかけている渋谷駅前、行き交うひとびと、たましいたち、色とりどりにまじりあう成分たちは、気を澄ましてみると旋律のようなものに変換されるという…

ヘルヴェチカ

「この近くにディグダ、いるよ」同僚がそうわたしに言ったしゅんかん、もうずいぶんと会っていない友人のことをおもいだした。チンザノロッソ、アイスクリーム、2匹のアフリカツノガエル、名前はアイロニーとリザベル、clinic、カマドウマ、水槽の中を泳ぐ縞…