告げ口心臓
きのうの朝、東京に雪がふった。
友人からの知らせを目にして、外にとびだすと、頬がゆるんだ。ぱしぱし、顔におちてくる水っぽい白いつぶ。浮き足立っているのが、はずかしいくらいにわかって、首がすくんで、亀みたいねとまたわらって。
きのうの夕方、傘をもらった。
誕生日おめでとう、なんていう理由で、首をかしげたけれど、それをひらくと、瞳孔までひらいて。雨でも晴れているような、こまっちゃってわらっちゃうような、すてきな贈り物で。だけどゴッホも眉間にしわをよせて苦笑いするだろうな。
贈り物をうけとって、そのうらがわに、相手の感情をみつけたりすると、鼻の奥がぎゅ、っとする。
それに、傘と手袋と葡萄酒の共通点をみつけて、うれしいのであーる。
これは、なぞなぞです。
届かなかった手紙とか、忘れられちゃった約束とか、どうして?とか、かなしいとかむなしいとか、あるけど、まずはやることやらなくちゃ、とおもって。
360°、ぐるっと見回して、
また、食指がコントロールできなくなってきてる。おなかがへっているのに、食べたいものがわからなくて、今朝から何も口にしていない。
電波がぴしぴし、散っていく。
だけどわるくはないキブン。
これから、どこへいこう。
チョコレートをポケットに、
くるった時計を腕に、
白を汚すのはいつだって人間。