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キッチンおばけ



にちようび、

ずいぶんとひさしぶりのひとと、あった。どうしてもいま、あうべきだとおもったのだ。


夜になりかけている渋谷駅前、行き交うひとびと、たましいたち、色とりどりにまじりあう成分たちは、気を澄ましてみると旋律のようなものに変換されるということにきづく。足音が雨音にきこえてくるような、


ある中華料理店にて、

おいしい料理やアルコールは、ぽろぽろ、ぽろぽろ、アタマの中身をほぐしては押し出すようだ。点と点をつないで、絵を描くみたいな時間だった。

ぽろぽろ、ぽろぽろ、


だれといてもひとりだけれど、ひとりでいてもだれかといられるような、そんなきぶんになって。このひとと、ともだちでいられて、よかったな、そうおもった。


かたい握手は、またね、のしるし。

ありがとう。




さいきん、恋人がよくカレーやステュウをつくってくれる。それがものすごくおいしいもんで、いつもほっぺたが行方不明になる。キッチンに立つ姿をみていると、たのもしいな、とおもう。ねむっているのをみていると、猫かな、とおもう。音をかんじているのをみていると、ちきゅうかな、とおもう。



わたしはわたしがよくわからないままだけれど、この夏を、すきだとおもってる。ふしぎであーる。



みじかい爪先を、研ぐ。