むらくもの

 

ぼんやり、のんびり、している。

おみくじはいつだって、待ち人はおくれてやってくるからじっと待ってろと、わたしに説くような気がする。いつか陽は差すから花が咲くのは待てと。それらはすごくしぜんなことを、再認識させてくれるようにおもう。何者も待たなければ、そわそわすることもないだろうし、花など気にしなければ天気なんてどうでもいい事柄なのだろうから。
年のはじめにいつもお詣りする神社さんにはお稲荷様がいて、いつも狐のうたをおもいだす。父さん母さんとてくてく歩きながら、人が多いねえ、屋台がいっぱいだね、鳥居は真ん中を通っちゃいけないのよ、あれ食べたい、じゃあ買ってこいよ、とだいたい毎年おんなじようなことを話す。あの時間がわたしはすごくすきだ。

今夜は大きな上弦のおぼろ月だった。
おぼろ、ってなんだろうか。おぼろ豆腐、おぼろうどん、くらいしか思いつかないけど。おぼろ犬っていうのがいたら、ふやふやしててきっとかわいいだろな。わたしはいますごくねむたくて、だけど恋人がやってくるのを待っていて、おさけをたっぷり含んでいる肉体は、地に足がついていないようで。わたしもいま、おぼろ、なのかもしれない。かわいくはないけれど。

おぼろなわたし、


今年のお正月にひいたおみくじをひらいてみた。争い事はしないほうがよさそうで、学問はしっかり勉強しなさいと、引越しは焦るなと書いてあって、恋愛はこのひとを逃すなと書かれていた。ふむふむ、
たまに読み返そう、そうおもったのであった。


職場の近くに、秋頃からずっと花が咲きつづけている冬の桜の木があって、このこはいつまで、と前を通るたびに見上げるのだけど、ただただ、逞しいなと。そこからすこし歩いたところに春に花を咲かせる桜並木道があるから、たまにそっちもちらとみてみるけど、まだまだねむっているようだ。
春になったら、ピクニックしたいな。


ひじょうにねむたい。
わたしは、恋人を待っている。
はやくあいたいのだ、とわかる。