バスクのひつじ




まいにち、おもうことがある。まいにち、おもうひとがいる。まいにち、することがあって、まいにち、どうにかいきている。きょうのスパイスは、鯨の声と、アルコール。



お元気ですか?

わたしは、元気とかそうじゃないとか、どちらともいえないのだけど、だいたい、だいじょうぶ。

箱の中からでてこない亡霊は、シュレディンガー疑惑をかけられているところ。遠隔操作、幽体離脱、エクトプラズム、髪の毛と爪、水中実験。



肉体に纏っている目にはみえないものって、海の満ち引きみたいに、いつのまにか変化している。あれ、ここどこだっけ、って、とつぜんおもったりして、まあやるしかないな、なんて、諦めにも似ているふうな心持ちで、ふらふら、歩を進めたりして。





朝から雨が、降り続いてる。

夢の中でも、降っていた。待ち人のこないまま走り出したタクシー、同級生たちのまだらな声、訪れた夜はこれからだったのにと目がさめておもった。


さっき洗濯をしようと、カゴから服をぽいぽい取り出していたら、恋人の靴下が発酵していて、ひとり顔をゆがめてわらってしまった。チーズも、とびきりくさいのが、すきだなとおもって。いきているにおい。




数日前、万華鏡みたいなひとに出逢った。するする、じぶんの口からことばがでてきて、ふしぎだった。すごく、うれしい。


遊び道具を手にいれてしまったわたしは、今にもお湯が沸きそうなきぶんです。たのしみなことが、いくつもあるんだ。春は、まだかな。