おだやかすぎるような、正午。早起きの恋人をいつもどおりにみおくって、もうひと眠りしようかとベッドにもぐったけれど、頭がさえてしまって、煙草に火をつけた。掃除、洗濯、お昼ごはんにはあったかいお蕎麦。物置きと化しているソファの裏を覗きこんだら…
気がついてしまった。その瞬間、ぺたりと全身にへばりついていた薄皮が剥けるような、わたしを囲い覆っていた殻か壁か、何かが、ガラガラと音を立てて崩れたような感覚がした。すこしの恐怖と、安堵。だから、だったのか、しばらく、靄のかかっていた頭が、…
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