水族館ではお静かに

 

 

やっぱり 今日は 雨が降っている

 

死んだら そのひとの体感時間は そこまででとまるのかもしれないけど 他者からしてみれば それまでのすべてが嘘みたいに感じることもある のだ 幼稚さか もはや愛 とかいう名のついてしまう代物みたいなものに属してしまったりするのか なんて そんなこと 死んだ子の親族からしてみれば どうだって いいことかもしれない 死んで しまったから だけどわたしは生きていて まだ生きるつもりでいる なんにも偉いことなんかじゃない 傲慢すぎて いやなやつだ と心底おもう だけど あのひとが わたしに向けた顔とか ことばとか 目に見えるような感情の色を しっかりおぼえていて そのくせ いとおしいなんてことは感じていない そんなことよりも なに死んでんだよと ずっとおもってるわたしはまだ のうのうと 生きてんの だからやるの まだ わたしを

 

 

五年前の 明日と同じ日付の午後
たくさんのひとたちが 泣いていて わらっていて どうしようもないようなきもちで みんなの表情や目の色 ことばたち 天候や湿度の感じ 葬儀場でかかっていた音楽 そういうものたちを まだわたしは 鮮明に思い出せる なにを してしまったんだろう と ずっと おもいつづけているけど どうすればよかったのかは ずっとわからないままでいる

 

どれだけ涙をこぼしながらでも 愛なんてしらないよ と わたしは心から言えるのだ しらないんだから
罪とか罰とかは関係無い わたしは愛なんてしらないし そのくせものすごく憧れているのだとおもう 目を伏せないで まっすぐだれかをみるひとに


すこしずつこぼれなからも どうしてもつまみあげてしまう記憶に わたしのこころをこめて

 

fucking birthday , robin