うつせみ



夜はいつもたいてい起きているから、うたたねをするとお昼寝したようなかんじ。夜更けに目がさめて、ずっと観たかった映画を3作品、ある劇中にでてきたキューバサンドに、まんまと心臓とお腹が墜落して、キューバじゃないサンドイッチをつくって食べた。

料理はいつでもたのしい。

つぎはなにをつくろうか、ああそうだ、冷蔵庫にレモングラスがあるんだった、じゃあ、頭の中ぐるぐる。どんどん思いついちゃうから、やっぱりあと何個か胃袋がほしい。




あの日から、ちょうど半年。

いろんなことがあったし、あの日は夏で、いまは冬、もうすぐあたたかくなる。コーヒーカップみたいな、メリーゴーランドみたいな、観覧車みたいな、そんな日々。

分かれ道が、たくさんある。

選んで、どんどん歩いてく。


なにか、だいじなことを書き留めようとして、ぜんぶわすれてしまった。今夜のメニュウのことだったような、あの日みたまぼろしのことだったような、明日の天気のことだったような、ひさしぶりに耳にしたブラウンシュガーみたいな声のことだったような、


きょうはなにをつくろう。