もんてかるろ



時間が無い、だけどひま、

まったくそのとおりだ。



けっこう、いろんなことに参ってしまっている、さいきん。

まいにち、眠りにおちては夢をみる。数日前、受話器越しに耳にした声は、よくしっている、なつかしい声だった。待ち合わせは、すれちがって、すれちがって、あえないまま、目がさめた。二日後には、ソファの隣に腰かけていて、きみはかなしそうな顔をしてた。だけど、鋭くてやさしい、眼の色で、

きみは、だれ?

もう、そんなことすら、問題ではないというのに、わたしは質問する。

明晰夢だったなら、きっと、黙りこんでしまっていたのかも。





トランプを手に入れた。

ひとりでいるときに、どんな遊びをするかって、それは、だれにもいわない。わたしの呼吸がもし、1秒後に停まったとしたなら、すべてはあのこに聞けばわかる。




さ、帯締め直して、いきましょか。

そう、時間が無いのだよ。



だけど、背中の後ろに降る雪は、いつでもあたたかい。